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二十四考狐火・手彫り
本朝廿四孝」 奥庭狐火の段
「ほんちょうにじゅうしこう」 おくにわきつねびのだん
越後の武将上杉謙信の娘八重垣姫と甲斐の武将武田信玄の息子勝頼は足利将軍の仲介で婚約していました。ところが将軍が暗殺され両家に疑いがかかり、犯人を見つけ出せなかったために勝頼は切腹を命じられてしまいます。悲しみに暮れる八重垣姫でしたが、死んだのは偽者で本物の勝頼は花作りに身をやつして生きていたことを知ります。しかし父謙信も、その秘密を知り、勝頼に刺客を差し向けるのでした。八重垣姫はそのことを勝頼に知らせようとしますが女の足では刺客に追いつけず諏訪湖は凍っているため船を出すこともできません。そこで奥御殿に祀った諏訪明神の力が宿る兜を手にとると湖に映る自分の顔が狐に変わる。驚いて兜を離し湖を覗き込むといつもの自分の姿が映る。再び兜を手に取るとやはり狐の姿。狐の霊の通力を得た八重垣姫は兜を手にしてここかしこに燃え立つ狐火を力に勝頼のもとへと急ぐのでした。
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